TCM 製品稼動実績
久万広域森林組合
小田急電鉄株式会社
大野工場
住友金属物流株式会社
産業振興株式會社
室蘭事業所
尾道造船株式会社
尾道造船所
ミリオン合金株式会社
北関東支店
株式会社三波化粧合板
四日市酪農業共同組合
月星海運株式会社
呉事業所
尾道造船鰍フ創業は1943年。以来、約60年におよぶ長い歴史の中、国際フェリー、貨客船、RO−RO貨物船、コンテナ船、石油タンカーといった多種多様な船舶を建造してきた。
現在の主力商品は、載貨重量4万〜10万tのプロダクトキャリアと呼ばれる中型タンカー。石油の生成品である灯油、ガソリン、ナフサなどを運ぶタンカーである。同社が他社と競うのは船舶の大きさではなく、船舶の機能や付加価値である。
「造船業界のマーケットは世界単一です。当社で建造した船舶の船主を最近のものから言えば、中国、アメリカ、ポルトガル、トルコ、ドイツ、ギリシャなど。世界の市場で、当社が評価を得るためには、独自の個性を打ち出していかねばなりません。そこで、営業社員だけでなく設計技術者も各国へ同行して、どんな荷物があるか、その荷物を運搬するものにはどのような船舶がベストであるかなどを提案し続けています」。
同社の努力が実り、現在、世界各国の船主や商社から高い評価を得ているのが、載貨重量47000tのプロダクトキャリア。受注分も含めると、すでに40隻を超えており、この数字は業界で大ヒットといえる。
低燃費、荷役装置の効率性の高さ、地球環境に配慮した同社の設計思想などが評価されての結果であるのはもちろんだが、ヒットの第一の理由は「故障トラブルが少ないこと」だそうだ。後発メーカーの船舶と比べてもグレードが高く、「トラブルが少ない=コストパフォーマンスが高い」ことは、世界のタンカーマーケットにも浸透している。これは、同社の船舶が「オノゾウ」というブランド名で親しまれていることでも証明されている。
「年間7、8隻、関連会社も含めると年間約12隻の建造数、売上高約400億円を誇る尾道造船所で働く従業員は常時900名。ブロックと呼ばれる船舶の部品が造船所内を行き来するが、その1個あたりの重量は約100t。研掃工場(ペイント工場)から屋外の通路を通って走る走行台車で運搬される。
「走行台車は、現在のTCM製で3代目。いままでの走行台車と違うのは、計器類がコンパクトにまとまり、使いやすくなった点です。乗用車でいえば、マニュアル車がオートマチック車になったというところでしょうか。操作もシンプルなので、専従者である必要がない。たとえばブロックの重心を知らせる重心モニターが搭載されているから、これまでのように長年のカンをもった熟練者が運転しなくてもよい。ローテーションも組みやすくなりました」。
重心をとりにくい変形ブロックの場合も、モニターが感知することによって、早め早めの修正が可能となり、場内作業の高い安全性が確保できるようになったと好評だ。
「もはや成熟期といえる造船マーケット。林原専務は、そんな現状から同社の展望についてこう語る。「消極的だと思われるかもしれないが、現状の年間400億円の売上をキープできる企業でありたい。そのために、今もっとも力を入れているのが将来の幹部となる人材を育成することです」。
将来に向けて同社が求める人材像はゼネラリスト。「階層別教育はひと通り終わり、去年は尾道造船ビジネススクールを立ち上げました。たとえば、エンジニアであっても、貸借対照表を理解でき、労務管理に精通した人材を養成しようとするものです。また、外国人講師を招いての英会話教室も始めました。3クラス計30名募集したところ、60名もの応募があり、急遽4クラスに増やしました。また、評価者教育といって、人事評価できる人材も養成しています」。
こうした能力開発のカリキュラムに取り組む社員は意欲的であり、同社の未来を担う人材は、着々と養成されている。今後も、世界を舞台に積極的な提案型営業が実践され、独自の個性が光る船舶が生み出され続けていくことであろう。
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