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小田急電鉄は新宿を拠点に、小田原、箱根、江ノ島、多摩方面へと展開し、総営業キロは121.6q。さらに沼津(JR東海)、綾瀬(営団地下鉄)にも相互乗り入れを実施しており、まさに通勤・通学、観光両面の大動脈である。
大野工場は、小田急線のほぼ中央で小田原線、江ノ島線の分岐点、相模大野にある。法令で定められている全般検査(8年を超えない期間)、重要部検査(4年又は60万qを超えない期間)といった大がかりな検査を実施する、小田急電鉄の全車両の安全運行を根底で支える拠点である。
この他、営業線車両の管理や、日常の車両の保守検査が3ヶ所の検車区(喜多見、相模大野、海老名)で実施され、安全で快適な車両の提供に万全を期している。
「現在、ラッシュ時の混雑緩和や所要時間の短縮を図り、快適な輸送を実現するため、梅ヶ丘〜喜多見間の複々線化工事が着々と進められています。また高架化による交通渋滞の緩和も図っています」。 |
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現在、小田急電鉄の保有車両数は1000両を超え、大野工場の年間定期検査車両も300両を超える。定期検査は車体から台車、モーター等を切り離し、それぞれ分解、点検され試運転を実施し、性能、安全性を確認して、営業線へと提供されている。
「単に4年に1回点検するというのではなく、これからの4年間、お客さまの安全を保証するという意味での検査です。ですから、分解、整備、組立まで、厳重なチェック体制のもとで行われます」。
安全運行のために、特に重要な装置の一つがモーターである。この検修ラインの自動化には作業合理化とチェック機能の向上を目的に1996年から準備に取り組み、翌年には設置、据えつけが完了し、そして1999年にシステムのハード部分が完成。2000年3月には本稼働となった。
「当工場の場合は、既存のスペースに設備を据えつけるという点に苦労しました。すでに設置されていた検修台のわずか50センチという高さに合わせたAGVを導入したいというニーズに合わせるため、TCMと協議を重ねました。さらに、限られたスペースでの作業にも対応できるよう、できる限りコンパクトな車体にしてもらいました」。
作業台とAGVの高さがそろわなければ、余分なリフト機構が必要となり、スペースも必要となる。この問題をクリアしたことで、同工場のシステム化はより安全でより合理的なものとなった。 |
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モーター1台の重量は約1t。重量物が次々と流れるラインを自動化するシステムは、もちろん安全第一で作り上げられた。
「安全対策は、もうこれ以上できないというぐらい施しました。たとえば、物を検知して走行を停止するシステム。停止したら人間が確認してストッパーを解除しないと動き出さないという機能を加え、さらに安全性を高めました。現在は、現場スタッフが実際にシステムを使いながら、安全性、機械の能力、作業効率の3点がマッチする作業フローへと成熟させている段階です」。
従来、モーターの運搬については天井クレーンで対応しており搬送にも時間を要していたが、今回のAGV化により安全で効率のよい作業環境が実現した。いわゆる3Kといわれる分野の作業もかなり軽減されたという。
「チェック機能もシステムの中で自動的に実施されているが、モーター検査には独特のノウハウが必要です。これを100%コンピューターに置き換えることは、まだ不可能というのが現実。そこで当工場では、長年のカン・コツを持ったスタッフが最終チェックを行い、確かな安全性を保証しています」。
精密なシステムの中で機械と人間が融合することによって、より高度な安全性を生み出す体制が確立したわけだ。 |
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大野工場は現在、今年度を目途にISO14001の認証取得をめざしている。
「これまでも、急カーブ通過時の高周波音を低減する『防音車輪』の導入や、車両用コンプレッサーを低騒音型への順次更新、さらには車両の警笛について電子警報器の増設など周辺環境に配慮してきました。また車椅子スペースやホーム転落防止用外幌の設置等バリアフリー対応にも取り組んでいます」。
小田急電鉄の安全運行は、最先端のシステムと、人のやさしさで守られている。今後も、さまざまな取り組みで、私たちの通勤や旅の時間を楽しいものにしてくれるに違いない。 |
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