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1998年、愛媛県中予山岳流域5町村の森林組合の合併により、久万広域森林組合は発足した。流域面積約72,000haのうち森林面積は65,000haで、森林面積の78.2%が民有林。人工森林率
「戦後、西日本では随一、優良木生産地となることを目指して行政、森林組合、山林所有者が一体となって造林事業に取り組み、『久万林業』の名で杉の産地として全国にも知られるようになりました。しかし、1戸あたり約6haの小規模な山林所有者が多いため、輸入木材とのコスト競争にはなかなか追いつけない。そこで、伐採や搬出、加工などを共同で行える大型の流通加工基地を作ることにしたのです」。
この年間6万m3もの大量集材が可能な国産材加工施設の運営は、森林組合としては全国でも初めての試み。原木を一元集荷し、加工を共同化することにより、コスト削減と製品の高規格化を図り、輸入木材に対抗できる製品を生み出すことが大きな狙いである。地域住民の大多数がかかわっている林業を活性化させ、次世代にもつないでいきたいという挑戦でもある。 |
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今年4月、施設が一部稼働。10月までには乾燥施設、内装材加工場、集成材加工場も完成し、2001年度中には本格稼働の予定だ。事業費35億円のうち、50%は国、40%は町村、10%は組合の出資である。
「地域最大の資源である杉材の中でも、間伐枝打ちなどの手入れをしていない中目一般材と呼ばれる原料や、昭和38年の豪雪によりその多くが森林内に放置されたままになっている曲がり材を有効利用するために、高性能・高能率製材システムを導入しました。このカーブ式製材システムは、アメリカやカナダで資源の有効利用のために使われている技術で、製品化の段階で曲がり材の欠点を克服して板に仕上げることができます。つまり、原材料は低コストでありながら、高規格製品を生み出すことができるのです」。
さらに、全量を乾燥できる設備を整え、強度・機能ともに差別化できる商品を供給する。「大規模な乾燥工場なので、コストダウンのためにTCMの自走式台車を導入しました。今後、工場が本格的に稼働するようになれば、自動倉庫などによるスペースの有効利用も考えていきたいですね」。
また、流通の短縮化を図るなど、流通体系そのものも見直したいとする。「たとえば、健康住宅志向が高まる中、ユーザーに直接、内装材としてお届けできる流通体系も確立したいと考えています」。 |
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一方、過疎化が進む山林地区で人材確保は深刻な課題。前町長を務めた河野組合長は、在職時の1990年、林業の担い手を育成する会社「株式会社いぶき」を第3セクター方式で設立した。
「現在、社員数は42名、平均年齢は約30歳です。若い世代が定着しなければ町の将来はない、町をあげて人材を育てることに理解を得て、1億円のふるさと創世資金を投入して会社を設立することができました。勤務時間や休日、給料面でも町役場職員に準ずる条件で、若者が希望をもって安心して働ける職場環境を創出しています。以前、新聞で紹介され、全国から問い合わせが殺到。Uターンだけでなく、Iターン者も約30%を占めています」。
もちろん、自然の中で働くことに対する憧れだけで続くような生やさしい仕事ではない。約1カ月の試用期間後、正式採用されるのは10人のうち、1人か2人。その中では、女性スタッフも活躍しており、機械化による力仕事の軽減は、かなり進んでいるという。 |
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木造建築のよさをアピールすることも、国産材の利用につながると、1987年からは本格的に公共施設の木造化に取り組んでいる。これまでに町立小学校や中学校、美術館、天体観測館、JRバス駅、図書館など14件を木造化。「木にこだわった町づくりを推進しています。モデル地区では個人住宅を木造で建築する場合には助成金を出すという『久万町緑のふるさと環境条例』もあります。ただ、町づくりの結果はすぐには出ない。日本の伝統的な木造建築の町並みが実現するにはあと50年はかかるのではないでしょうか」。
日本の誇りである木造建築。伝統を守るため、そして森林を守り育てるための地道な努力は続く。 |
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